2015年
7月
07日
火
平成27年税制改正 法人税率
デフレ脱却と経済再生をより確実なものにしていくことを目的とした平成27年度税制改正には、
「法人税改革」「住宅市場の活性化等のための税制上の措置」などがあります。
その中でも注目したいのが法人税の税率改正でしょう。
今回の改正では
「稼ぐ力のある企業などの税負担を軽減することで法人課税を成長志向型の構造に変える」
といった狙いがあるそうです。
法人税率の引き下げは平成27年4月1日以後に開始する事業年度において適用され、これまでの25.5%から23.9%になりました。
また所得金額のうち年800万円以下の部分に対する税率19%が15%になる中小法人等の軽減税率の特例は、適用期限が2年延長されました。
これらにより国と地方を通じた法人実効税率は32.11%になります。
財務省による2014年3月現在のデータでは、国と地方を合わせた法人税率はアメリカ40.75%、ドイツ29.59%、中国25%、韓国24.2%となっています。
なおアメリカでは州税に加えて一部の市で市法人税が課される場合があり、ニューヨーク市では連邦税・州税・市税を合わせた税率は45.67%となります。
また一部の州では法人所得課税が課されない場合もありネバダ州では税率が35%になります。
今後の日本は経済の好循環を実現するために、数年で法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指しています。
2015年
4月
24日
金
2つの投資促進税制
投資促進税制には2種類あります。
「中小企業投資促進税制」 と 「生産性向上設備投資促進税制」 です。
この2つは、一定の資産を取得した場合に、”特別償却” or ”税額控除” の選択適用が出来ますよ。
という制度である点では同じですが、対象資産や要件、税額控除の繰越の可否などで違う部分があります。
中小企業投資促進税制
(要件)
- 青色申告法人
- 中小企業者等
- 平成29年3月31日までに下記資産を取得または製造して、事業の用に供すること
- この制度が適用される資産(新品に限る)
(具体的な効果)
※税額控除は法人税額の20%を限度(限度額を超える金額は1年間に限り繰越可能)
中小企業投資促進税制の上乗せ制度
中小企業投資促進税制の対象となる資産のうち、特定生産性向上設備等に該当する資産の場合は、特別償却と税額控除について上乗せ措置があります。
上乗せ部分の数字は下記。
生産性向上設備投資促進税制
(要件)
- 青色申告法人
- 大企業もOK
- 平成29年3月31日までに下記資産を取得または製造して、事業の用に供すること
- この制度を利用できる資産は下記の資産であること(新品に限る)
- A類型またはB類型の設備であること
(具体的な効果)
※税額控除は法人税額の20%を限度(限度額を超える金額は繰越出来ません)
2015年
4月
24日
金
設備投資をした場合に受けられる制度
設備投資をして受けられる制度に、
「投資促進税制」 と 「補助金」 があります。
「投資促進税制」には2つの種類があり、どちらを適用すべきか悩むところです。
「投資促進税制」は、割合は違いますが2つとも、”特別償却” or ”税額控除” の選択方式となっています。
”特別償却”とは、本来は法定耐用年数で減価償却すべきところ、購入年度に特別に大きな金額の減価償却費を経費として計上できますよ。 という制度です。
場合によっては、即時償却=つまり、初年度に全額経費と出来る場合もあります。
”税額控除”とは、取得価額に対する一定の割合を、納付すべき法人税額または所得税額から控除できますよ。
という制度です。
ただし、法人税額(所得税額)の20%までしか控除出来ないので、全額控除出来ない場合もあります。
その場合の余った控除額は、制度により、翌年度に限り繰越出来る場合と出来ない場合があります。
「補助金」と「投資促進税制」の併用も原則可能ですが、補助金側の用件として、併用禁止の場合もありますので、有利判定をしたうえで、適用する制度を決めた方が良いでしょう。
一見、上限のない特別償却の方が有利な気がしますが、特別償却は「課税の繰り延べ」です。
購入初年度に、多くの減価償却費を計上するということは、翌年度以降の減価償却費が減少するということです。
つまり、購入初年度の利益は減るが、翌年以降の利益は通常よりも少し増えるので、「課税の繰り延べ」と言われています。
対して、税額控除は、税額から控除できるので、毎年コンスタントに利益が出ている会社の場合は税額控除の方が納付する税額は減ります。
しかし、設備投資をした年度は資金繰りが厳しい場合などは、特別償却して購入初年度の納付税額を抑えるという方が良いでしょう。
これら制度の具体的な要件等については、次回書きたいと思います。
2012年
7月
05日
木
分かりずらい減価償却
減価償却と聞いても
事業をやられている方や、経理マンでない限り、あまり耳慣れない言葉だと思います。
事業で使っている資産は、使用に応じて価値は減りますね。
新車から2年目の車と10年使った車の価値が同じだとおかしいですからね。
この減った価値を見積もって、減価償却費という経費とすることで、正しい期間損益を計算しましょうね。
ということですね。
この減価償却、
最近、改正が続いてまして、計算方法が5パターンとなってしまいました。
5種類の計算方法を使い分けなければならないんです。
1. 旧定額法
2. 定額法
3. 旧定率法
4. 250%定率法
5. 200%定率法
と、言っても今やコンピュータがやってくれるわけですが…
しかし、あまりコンピュータに頼りすぎますと、バージョンアップ忘れて間違えた処理をした事に気付かなかい事もあり得ますし、改正後の計算方法の変更については、お客様への説明責任がありますから、
私たち税理士はしっかり理解していないとなりません。
さて、本題です。
最近の改正について。
これは個人の場合は、減価償却の計算方法に敢えて「定率法を選択」している場合に限ります。
逆に法人は、定額法を選択している場合は関係ありません。
特に選択した記憶のない場合は、原則が定率法である法人のみが今回の改正の対象となります。
〈改正内容〉
平成24年4月1日以降に取得した減価償却資産は、原則、200%定率法により償却することになりました。
今までの定率法は、250%定率法といわれている方法で、定額法の償却率を2.5倍した数を定率法の償却率とし、
一定の時期に償却方法を定率法から定額法に切り替えて減価償却費を計算(均等償却)するというものです。
これが、200%定率法となったという事は、償却率が少なくなったということになります。
ただし、耐用年数を通して償却できる償却累計額は、どちらも同じ金額です。
定率法は、取得した当初の償却額が一番多く、経過年数と共に償却額が減っていく。
という償却方法なのですが、その曲線が緩やかになるということですね。
<改正後>
減価償却資産の購入当初の償却額が、今までよりも減ることになりますね。
決算対策で中古の外車を買おうと思われている方、ご注意を…
たとえば、300万円の中古車を買ったとしましょう。
中古の耐用年数が2年の場合は、改正後も償却率は変わりません。
なんと、償却率1.0 つまり1年目にして全額償却可能。(期中で買った場合は月割り計算)
しかし、中古の耐用年数が3年以降となりますと、改正後は変わってきます。
改正前が0.833 改正後が0.667
1年目の償却額は、改正前が2,499,000円 改正後が2,001,000円
といった感じになります。
ただ、この改正には二つの経過措置があります。
(1)平成24年4月1日を含む期については、平成24年4月1日以降に取得した減価償却資産についても、いままで通り250%定率法で良い。
(2)平成24年4月1日を含む期の申告期限までに、届出をすれば、その進行期又は翌期から、250%定率法を採用しているすべての減価償却資産について、200%償却率で計算できる。
(2)は、事務処理の負担を減らすための措置のようですが、適用初年度は下記の注意が必要です。
① 250%定率法を採用しているすべての減価償却資産について、適用すること。(一部採用はだめ)
② 耐用年数の修正が必要です。
③ 均等償却をしている資産には適用ありません。
もう、この辺りで訳分かりませんよね。
なんて面倒な改正を・・
◎平成19年時の改正では、「国際競争力を高めるため」とありました。
日本では従来より残存価額が取得価額の5%(税法)と決められていましたが、国際的には残存価額が0円がほとんどらしく、日本も備忘記録1円残しで償却が可能となりました。
◎平成23年時の改正で、250%→200%定率法にした理由は、
「法人税法上の措置である減価償却制度の償却速度を主要国並みに見直す」とあります。
平成19年時の改正で、一度にやる訳にはいかなかったのでしょうかね・・